運営に必要なもの

■WEBサイトを運営するために必要なもの

  • プロバイダ
  • WEBサイト用サーバ
  • インターネット接続回線(電話回線、ADSL、CATV、光ファイバ、Wi-fiルータなど)
  • ネットワーク機器(モデムなど)
  • メールソフト
  • セキュリティソフト
  • HTML編集ソフト
  • 画像編集ソフト
  • FTPソフト

いよいよWEBサイトをインターネット上で公開します。期待と不安でドキドキしますね。しかし、高まる気持ちを抑えて、運営に必要なものを冷静に判断しなから選択していかねばなりません。それぞれについて説明しましょう。

プロバイダ

自ら制作したWEBページやファイルなどをインターネット上へアップしたり、メールのやり取りをするのに必要なのがプロバイダとの契約です。

プロバイダとはインターネットの接続業者のことを指し、ISP(Internet Service Provider)の略称でも呼ばれます。実際、あなたが現在このページを閲覧されているということは、既にプロバイダと契約されていると言うことなので、今更定義の説明は野暮ですね。

プロバイダを選択する上での注意事項は、プロバイダによってサービス内容が様々(メール容量やWEBサイト容量、サポートの内容など)なので、あなたのニーズに最もマッチするところをじっくりと検討した上で契約しましょう。

WEBサイト用サーバ

WEBサイトをインターネット上で公開するためには、インターネット上のサーバへ置かねばなりません。それには下記の5つの手段があります

独自ドメインが使用可能なもの

  1. サーバを構築し、自社(自宅)に置く
  2. サーバを構築し、ハウジングサービスを利用する
  3. レンタルの専用サーバを利用する
  4. ホスティングサービスを利用する

独自ドメインが使用できないもの)

  1. プロバイダのWEBサイト公開サービスを利用する
  2. 無料ホームページサービスを利用する

上記の中で手軽に利用できるのは、5.と6.です。でも、独自ドメインの利用を考えると4.のホスティングサービスをお勧めします。

インターネットでいうドメインとは、素性(登記)のようなものだと解釈すればわかり易いです。
•独自ドメインの例 (赤文字の部分が独自ドメインです) ※例のアドレスは架空のものです。

  1. URL→http://www.koreha-rei.co.jp
  2. URL→http://www.koreharei.com
  3. Email→mail_adress@koreha-rei.co.jp
  4. Email→mail_adress@koreharei.com

上記例の1と2では、赤文字の部分がURL(Uniform Resource Locator=インターネット上の情報にアクセスする手順と所在を記述する規格のこと)におけるドメイン名です。3と4では@(アット)より後ろがEmailアドレスにおけるドメイン名です。

こうして見ると、URLにおいてはドメイン名そのものが社名やブランドのように解釈できます。また、企業で用いられるEmailに関しては@(アット)の前が個人名や部署名であることが多く、

「だれそれ at どこそこ企業」=「だれそれ @ どこそこ企業」=「どこそこ企業、の、だれだそさん」

と読み替えれば意味がわかりやすいでしょう。

後述しますが、独自ドメインを使わない場合は、URLが長くなるだけではなく、一般的に信用度も低いです(サイトの内容次第ですが)。このように、独自ドメインを使うメリットは覚えやすいことと信用度アップにつながることにあります。

なぜ信用度が高くなるのでしょうか?その訳はこうです。

無料ホームページエリアはもとより、プロバイダのWEBサイトエリアを使用している場合においても、プロバイダを変更すればURLもEmailアドレスも変わってしまいます。当然アクセス不能になってしまいますし、ゲリラ的にサイト運営しているサイトも多く、そのような場合いつ閉鎖されるかわかりません。

その反面、ドメインを取得しているサイトは、運営している以上URLが変更になることはありません。しかも、あらかじめ”実在の”「氏名」、「社名、または組織名」、「郵便番号」、「住所」、「電話番号」、「FAX番号」などの情報をドメイン管理機関(JPNICやINTERNICなど)へ登録しなければならないためにサイトに関する責任の所在がはっきりしています。

しかも、ドメイン名から「どこの」、「誰が」運営しているのかといった情報が、WEB上から容易に検索できるため、閲覧者に対して基本的には匿名では運営できない仕組みになっています。(ただし、レンタルサーバ等ではサーバ運営業者が、運営者名ではなくサーバ管理会社名を代理公開しているケースもあります)

このような理由から、一般的にドメインを取得して運営しているサイトのほうが信用度が高いといえるのです。

また、ドメインの登録や維持管理には費用がかかります。わざわざドメインに対して投資していることからも、「WEBサイト運営に本気で取り組んでいるようだな」ということが伺い知れます。もちろん当サイトも独自ドメインで運用しているので、本気でやっています(笑)

あなたが独自ドメインでの運営をお考えなら、簡単に申し込めて価格も安い「お名前.com」をお勧めします。また、サーバと併せて運用するなら、高速かつ安定稼働なのに安くて安心の「エックスサーバー」をお勧めします。(当サイトもエックスサーバーを使っています)

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それでは、サーバについて検討してゆきましょう。

自前でサーバを構築するのはコストも高く、セキュリティや運用の煩雑さを考えると、あなたの事業が、そのサーバを用いてインターネット関連サービスを行なうといったものでない限り、あまり現実的ではありません。

また、専用サーバのレンタルも、セキュリティや各種設定まではサービス提供業者が行なってくれるため、自前サーバよりは比較的運用は容易で信頼性も高いのですが、やはりコストが高いのと小規模事業でサーバの機能と容量が丸ごと必要なほどのケースはあり得ないので、これも選択肢から外れます。

独自ドメインを用いて、SOHOや小規模事業所で運営をするのならホスティングサービスを活用するのがベストです。運用からドメインの更新まで手間もかからず、コストも規模に応じて様々なプランもあり低額なのでおすすめです。

ホスティングサービスはレンタルサーバとも呼ばれ、インターネット上に置かれたサーバを丸ごと借りるのではなく、その一部の容量を間借り出来るサービスです。先程紹介した「エックスサーバー」もホスティングサービスを提供しています。

「でも、独自ドメインでなくても信用を勝ち取る自身はある、とりあえずアップしたい!」

そんなあなたなら、プロバイダや無料ホームページサービスのWEBサイト用エリアを使って、サクッとアップするのが手っ取り早いです。

ただし、商用利用が可能かどうか契約内容をを事前に確認しておく必要があります。
それと、デメリットはそれなりにあります。まず、URLが長くなり素性がプロバイダのエリアってことになってしまうことです。たとえば、このような形です。

プロバイダや無料のホームページエリアを使用した例

  1. URL→http://user.provider.com/~koreharei/
  2. URL→http://koreharei.provider.com/
  3. Email→namae@provider.com
  4. Email→namae_koreharei@provider.com

上記の赤文字の部分が、あなたが自由に決められる名前です。

どうでしょう、素性は明らかにプロバイダ等のホームページエリアというのが一目瞭然でわかります。Emailアドレスにいたっては、個人名も事業名も載せると訳のわからないメールアドレスになってしまいます。

そして何よりも、覚えにくいです。覚えてもらえないのは商用サイトとしては致命的です、お客様が来ませんからね。(お気に入りや、ブックマークに登録してもらうなど解決させる方法はあります。他には次章で述べますが、検索エンジン対策による解決もあります)

また、無料サービスの場合、コンテンツエリアに、サービス提供者による広告が入るものもあり、その覚悟もしておかなければなりませんが、邪魔にならなければ結構便利に使えるはずです。

最後に重要なデメリットを挙げておきます。無料サービスの場合「突然サービスが終了してしまう」可能性があるという点です。

無料サービスでは、規約に運営者側の都合(倒産など)により一方的にサービスが終了してしまうことがあります。これは重大なリスクです。せっかく育んだサイトの置き場所が無くなるわけですからね。

置き場所(サーバ)が替わっても運営に支障をきたさないようにするには、やはり独自ドメインでの運用が断然有利です。サイトのURLはそのままでサーバ移転ができますかららね。

無料サービスに依存するドメインだと、それが消滅したら、置き場所(サーバ)も新たにし、URLも変わるため、一からサイトの宣伝をし直さなければならなくなります。これは致命的なダメージを食らうことになります。

以上を総合的に判断して最も適したサーバを選択しましょう。

インターネット接続回線

自らWEBサイトを運用する上で、無くてはならないのがインターネット接続回線です。接続回線はあなたの用途にあったものであればどのようなものでもかまいません。ただし、コンテンツの更新やメールのやり取りなどが頻繁にある場合は、パフォーマンスの高い回線を選択するのが良いでしょう。

画像や動画などの配信を行なったり、サイズが大きいファイルの送受信などが多い場合には通信速度の速いサービスを選択します。コストに関しては、「時は金なり」の言葉そのものです。通信業界では通信速度の速いものほど価格が高いのは常識です。

でも、現在はブロードバンドサービスが普及に伴って、数年前では考えも及ばなかった通信速度でのサービスが続々と出現し、料金も安価になってきています。

ネット起業の場合、メールチェックやサイトの更新などでほぼ毎日インターネットを利用することと、限られた時間帯での作業効率を追求すれば、定額で常時接続できるブロードバンド回線を利用するのがベストです。

通信回線には以下のものがあります。

インターネットに接続可能な通信回線

  • 電話回線(アナログ):通信最高速度( 56kbps = 0.056Mbps)
  • 電話回線(ディジタル):通信最高速度(128kbps = 0.128Mbps)
  • ADSL回線:通信最高速度(50Mbps)
  •  PHS:通信最高速度(128kbps = 0.128Mbps)
  • ディジタル3G携帯:通信最高速度(数Mbps~)
  • LTEスマホ:通信最高速度(75Mbps~)
  • モバイルルータ:通信最高速度(数Mbps~)
  • CATV:通信最高速度( 30Mbps~)
  • 公衆Wi-fi:通信最高速度(スポット毎に差異あり)
  • 光ファイバ:通信最高速度(100Mbps~)

これらのうち、一般的にSOHOで導入しやすい、ブロードバンドサービスは、ADSL回線、CATV、光ファイバです。

それぞれのサービスには一長一短があります。ADSLはNTT局舎から遠くなるほど通信速度が遅くなり、あまりに遠いとサービス自体利用できません。CATVはそのような問題はありませんが、居住地のケーブル環境が悪いと流合雑音の影響によって通信速度が遅くなるケースがあります。

現在主流となっているのは光ファイバです。通信品質が最も安定しています。次に人気なのがモバイルルータ。家の中でも電波状態が良ければ結構な通信速度が得られ、外出時にも持っていけるので人気があります。あなたの条件や環境で最も良いと思われるサービスを選択すると良いでしょう。

ネットワーク機器

回線が決まれば、ネットワーク機器も決まります。下記に各回線に対するネットワーク機器を記します。
※ケーブルやインターフェース等は記載していません。

各通信回線に対するネットワーク機器

  • 電話回線(アナログ):モデム
  • 電話回線(ディジタル):[ DSU(回線接続装置) + TA(ターミナルアダプタ)]または ISDNルータ
  • ADSL回線:ADSLモデム
  • PHS:PHS または PHSデータ通信カード
  • ディジタル携帯電話:ディジタル携帯電話
  • LTE,WIMAX:モバイルルータなど
  • CATV:ケーブルモデム
  • 無線LAN:屋外アンテナ + 無線装置
  • 光ファイバ:ONU(回線接続装置)+ ルータ

これらの機器は回線業者やプロバイダによっては、レンタルしているものもありますので、その場合自前で購入する必要はありません。事前に契約業者に確認しましょう。

メールソフト

メールソフトはパソコン購入時にあらかじめインストールされているもので良いです。あなたが使い勝手が良いと思ったものや、お気に入りのソフトがあればそれをご使用ください。ただし、後述しますがセキュリティも踏まえた選択が必要です。セキュリティの脆弱なソフトや、バージョンアップしていない古いソフトは使用しないことです。

セキュリティソフト

コンピュータウィルス感染って、他人事ではありません。ここ最近毎日のように新種のウィルスが発生しています。毎日ですよ。

実際、私や家族のパソコンにも悪意の疑わしいメールが良くやってきます。けど、セキュリティソフトのおかげで、現在なんの被害もなく過ごしています。

ネット起業するからには、お客様からの信用を失わないためにも、セキュリティ対策は必ず施して運用しましょう。なぜなら、あなたのパソコン自身をコンピュータウィルスなどの感染から防止するのはもちろんのこと、それよりも怖いのは、あなたが感染したために、あなた自身がウィルスをばら撒いてしまう犯人になってしまうからです。

最近ではメール送信先のユーザーにだけ悪さをするといったものではなく、感染したパソコンの中にあるアドレス帳などの登録リスト全てに、意味のないメールやウィルスを自動的に送信するといったウィルスが最近流行っています。

そのように、被害者が加害者になるケースも増加しています。このウィルスの振る舞いに関して、あなたが全く気づいていなかったとしても、あなたのパソコンからウィルスを送りつけられ、被害を受けたユーザは多大なる迷惑を被るとともに、強い憤りを感じます。

このように、いくらサイトの運営をしっかりしていても、セキュリティ対策に無頓着だとあなたの信用は地に落ちてしまいます。そのような事態にならないためにも、最低限ウィルスチェックソフトをインストールするなどのセキュリティ対策もしっかりと行ないましょう。

セキュリティソフトによる対策の他に、インストールされている他のソフトやOSのバージョンアップ、アップデートもまめにチェックして行ないましょう。

コンピュータウイルスや情報セキュリティ情報が総務省のサイトで提供されていまので、ぜひこの機会にご覧下さい。

総務省による情報セキュリティ情報
国民のための情報セキュリティサイト

FTPソフト

WEBコンテンツが完成したらサーバへアップロードしなければなりません。よくアップロードとかダウンロードとかいう言葉を聞きますよね。それって一体何のことなのでしょうか?FTPソフトに関連する部分なので説明しておきます。まずは下図を見てください。

upload-download

アップロード=あなたのパソコンからインターネット上のWWWサーバへファイルを送信すること。

ダウンロード=アップロードとは逆に、WWWサーバからファイルをパソコンへ取り込むこと。

この図が示すとおり、あなたのパソコンからインターネット上のWWWサーバへファイルを送信することをアップロードといい、逆にWWWサーバ上のファイルをあなたのパソコンへ取り込むことをダウンロードといいます。

WEBページそのものもHTMLファイルですし、WEBページに表示される画像などのコンテンツアイテムも全てファイルです。WEBのブラウジングもダウンロードに相当します。

これらのことからわかるように、ユーザーへ公開するためには、サーバへアップロード(よく省略して「アップ」と言われたりもします)しなければなりません。そのために使うのがFTPソフトなのです。

FTPとはFile Transfar Protcolの略で、TCP/IPで接続されたコンピュータ間でのファイル転送に関するコマンドや規則などの規格のことです。なんかとっつきにくそうな説明をしましたが、要は、ファイルをサーバへ送ったり、取り込んだりする規格のことです。

FTPソフト自体は使ってみると非常に単純で簡単です。ファイルを相手のフォルダへドラッグ・アンド・ドロップするだけでアップできてしまいます。逆にアップしてあるデータを取り込むのも同じ要領でできます。私自身も愛用している非常にシンプルかつ優秀なフリーウェアのFTPソフトを紹介します。

曽田 純さん制作のフリーFTPソフト 「FFFTP」は、とてもシンプルで使いやすく、定評があり、私も使っています。(現在、曽田さんご自身ではバージョンアップされていませんが、OSDNのプロジェクトにバージョンアップされているようです)

運営に関する説明は以上です。慣れるまでは戸惑い悩みながらの作業が続くと思います。でも、覚えてしまえば大したことではありません、軌道に乗れば追加や更新なども難なくこなせるようになるでしょう。

でも、ただ無難に運営していれば良いわけもなく、やっぱり手間ひまかけるなら儲からなくっちゃ面白くないです(笑)。それらについては次章でたっぷりとヒントを提供しますね。